❅·̩͙43 ページ3
というか、私が先住人みたいな顔をするのも
おかしな話だよな。
私だってずっとここにいるわけではないのだから。
目｢どれ持ってけばいい？｣
すっかり敬語の取れた目黒に重たいものを押し付ける。
文句言わず爽やかに受け取ってくれるから、逆に申し訳ない。
と、ふと気になった。
｢目黒もさ、女嫌いなんでしょ？｣
目｢…康二から聞いた？笑｣
｢うん。目黒の保証なら信用出来るってそういうことでしょ｣
重いものを持ちながら紳士的にドアを開けてくれる。
女が嫌いなら到底身につかないものだと思うけど。
意外とご両親がそういうのはしっかりさせるタイプだったり？
目｢俺は康二とは違って、顔だけで判断する子が嫌なだけ｣
｢ふーん…うちの高校じゃそんな人しか居ないね｣
ドサドサ可愛げなく荷物を置いて
持ってくれていたものもそこら辺に適当に置いてもらう。
部屋の造りはもちろん同じだけど
窓から見える景色が少しだけ違った。
｢ありがと。助かりました｣
目｢いーえ、もう大丈夫？｣
｢ん。大丈夫｣
この会話は大体出ていく流れになる想像が出来るはずなのだが
彼の頭はそう捉えなかったのか、出ていく気配はなく
むしろ私が敷いたラグマットに腰を下ろしてしまった。
寛ぐなら自分の部屋で寛げ、と言いたいところを
手伝ってもらった恩に免じて堪える。
私の目をじーっと、澄んだ大きな目が見つめるから
だんだん耐えられなくなって逸らした。
｢なに、なんか言いたいことでも？｣
目｢俺多分ね、あの子苦手なタイプなんだよ｣
…おう。大いに共感する。
けれどそれを私に言ってどうする。
言うなら渡辺かだてだろう。
最も、その2人に言ったからって滞在時間が変わることはない。
嫌がらせでもすれば帰ってくれるかもしれないが
生憎どこぞの低俗な人間のような、気に入らないから
排除するという思考は持ち合わせていない。
きっとそれは目黒も同じ。
目｢ご飯食べ終わったらさ、俺と逃げようよ｣
｢…逃げるとは｣
目｢夜のドライブ｣
｢私運転したくないよ？｣
目｢バイクだよ笑 星空の綺麗なとこ連れてってあげる｣
なるほど。
魅力的な誘いだ。
思えば同じ誘いを受けて私はここに足を踏み入れた。
新しい扉はいつも彼が開いている。
｢…分かった、行こ｣
っし！と少年のような笑みを浮かべて
ガッツポーズを天井に掲げる目黒を
少しだけ可愛いと思った。
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カジャ(プロフ) - りんごさん» ご愛読ありがとうございます。なかなか進みませんね…精一杯の勇気を振り絞ってあれだったようです笑 楽しんでいただけているなら嬉しいです。 (5月2日 20時) (
レス) @page36 id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お疲れ様です！くっつかへんのか〜ぃの前に、ハグだけか〜ぃ！って海のとこで叫びましたꉂ🤣ワクワクしながら待ってマス！ (5月2日 20時) (レス) @page41 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - すれ違ったふたりが戻ってきて安心しましたーヽ(；▽；)ノ空気感、好きです♡ (4月29日 22時) (レス) @page36 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りんごさん» 大変申し訳ありません、ご指摘感謝致します。 (4月12日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - カジャ様、ワクワクしながら拝見してます⋆♡もしかしてですが、45と48が抜けております。 (4月12日 13時) (レス) id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年4月11日 19時
