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空港から帰ってきた時、
誰もいないそのリビングに
微かな違和感があった。
涼太はそうかなあとか言いながら
受験生らしく午後からでも学校に行こうと
制服を着始めてる。
今や聞きなれた花束が鳴く音も
萎れて枯れた花びらがテーブルに舞っているのも
何も変わらない。
だったら、どこが。
宮｢…翔太、あの紫のヤツ売ったの？｣
はっとした。
そうだ。この部屋の中に放たれていた、唯一の異彩。
" 部屋のどこにも違和感を覚えない " という違和感。
『…売るわけねぇじゃん』
宮｢じゃあ、どっかやった？｣
『触ってもない』
宮｢……なんで無いんだろ｣
思い当たる節があるとするなら、明確なのがひとつ。
あの子と俺たち以外にアレの価値を知る人間は居ない。
『Aちゃんが、売りに行ったかも』
宮｢そういえば車なかったよね｣
『…ルーナ、俺の過去話したっつってた』
彼女だって、俺が彼女自身にとって
どういう存在なのか分かってるはず。
自分の両親を殺したやつの借金を払うなんて
そんなイカれたこと出来ない。
少なくとも俺は絶対に無理。
宮｢翔太、これ｣
元々紫が置いてあったところには
俺が彼女の首につけたはずの雪だるまがポツンと置かれていた。
自分の想像がどれほど浅はかで自分勝手であるかを
その雪だるまが教えてくれているかのようだった。
売りに行ったなんて
思い上がりも勘違いも甚だしい。
彼女はただ、絶望したんだ。
初めて見たあの海よりももっと綺麗な顔で
全てを諦めたんだろう。
俺がそうさせた。
俺の存在が、彼女をここに居られなくした。
『…涼太』
宮｢ん｣
『最近どっか調子乗ってるとこなかったっけ』
宮｢…ルージュ、かな｣
ただし隣の区だけど、と付け足される。
白雪はどの組と仲良くし、どの組に圧をかけるかは
全て総長であるふっかが決める。
ルージュという名は特にふっかから何も聞いていない。
だったら、何したって文句無いはずだ。
『行くわ』
宮｢1人で行ったってどうせボロボロになるだろ｣
『…なめんなアホ』
宮｢違う。わざとそうするだろって言ってんの｣
体がボロボロになれば、きっと。
並べられた9色のキーケース。
赤と青が、消える。
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カジャ(プロフ) - りんごさん» ご愛読ありがとうございます。なかなか進みませんね…精一杯の勇気を振り絞ってあれだったようです笑 楽しんでいただけているなら嬉しいです。 (5月2日 20時) (
レス) @page36 id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お疲れ様です！くっつかへんのか〜ぃの前に、ハグだけか〜ぃ！って海のとこで叫びましたꉂ🤣ワクワクしながら待ってマス！ (5月2日 20時) (レス) @page41 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - すれ違ったふたりが戻ってきて安心しましたーヽ(；▽；)ノ空気感、好きです♡ (4月29日 22時) (レス) @page36 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りんごさん» 大変申し訳ありません、ご指摘感謝致します。 (4月12日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - カジャ様、ワクワクしながら拝見してます⋆♡もしかしてですが、45と48が抜けております。 (4月12日 13時) (レス) id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年4月11日 19時
