❅·̩͙72 ページ32
私より少し上にある頭を
ぎゅっと抱きしめる。
加害者の子供も被害者の子供も
私たちはどちらも被害者だ。
苦しかったし、傷つきすぎた。
それでも巡り会ったことの意味はあると信じたい。
｢辛かったね、私たち｣
人格形成途中で焼き付いた刻印。
消えもしなければ薄れもしない。
ならば隠そう。
お互いの手で。
｢生きててくれてありがとう｣
震える手が私の腰に縋り付く。
『…ごめん、な……』
｢翔太は何もしてない。謝らなくていい。
赦されようとしなくていい｣
『Aも…生きててくれてありがとう…』
彼の背後に立ってただてが近づいてきて背中を包んだ。
宮｢もう苦しまなくていいね、翔太｣
私の首元に顔が埋まっている渡辺が頷いた。
そのまま何秒か無言の時が流れて
次に顔を見た時、もう彼は自分を取り戻していた。
私からゆっくり離れて、切れた口元を拭って
だてと2人でふっかの前に立つ。
『…悪い。勝手なことした。二度とやらねぇ』
岩｢その前に説明しろ。俺ら何もわかってねぇんだ、
翔太とAちゃん、どういう関係なんだ｣
ちらり、渡辺が私を確認する。
それを口にしてもよいのか。
今になって隠したって仕方がない。
頷いて渡辺が話し出すのを待った。
『…俺の父親が刺したのは、Aちゃんの両親だ』
向井とラウールから驚きの声が漏れる。
それ以外の面々は表情も変えず、じっと話を聞いていた。
彼が全てに気づいたきっかけも
傷だらけになった理由も
話し終わった後。
ふっかが渡辺を抱きしめるのを見るのと
私自身にも温もりが回ってくるのが同時だった。
深｢…言えよ、あほ｣
目｢そんなこと1人で抱え込んでたの、｣
向｢うぅ…俺ら何も気づかんかった…｣
岩｢…無理に聞き出して悪い｣
纏っていた鎧は今日で全て剥がれた。
深｢…Aちゃんが白雪を出るのは翔太のためだって言ったよね｣
｢そうだね｣
私たちなら分かち合える。
そう思うのは私だけ。
『やだ。俺のためならそんなん逆効果』
だと、思っていた。
『一緒に居てよ』
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カジャ(プロフ) - りんごさん» ご愛読ありがとうございます。なかなか進みませんね…精一杯の勇気を振り絞ってあれだったようです笑 楽しんでいただけているなら嬉しいです。 (5月2日 20時) (
レス) @page36 id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - お疲れ様です！くっつかへんのか〜ぃの前に、ハグだけか〜ぃ！って海のとこで叫びましたꉂ🤣ワクワクしながら待ってマス！ (5月2日 20時) (レス) @page41 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - すれ違ったふたりが戻ってきて安心しましたーヽ(；▽；)ノ空気感、好きです♡ (4月29日 22時) (レス) @page36 id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りんごさん» 大変申し訳ありません、ご指摘感謝致します。 (4月12日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - カジャ様、ワクワクしながら拝見してます⋆♡もしかしてですが、45と48が抜けております。 (4月12日 13時) (レス) id: ba11269092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2024年4月11日 19時
